♯13 穏やかな日常を過ごす、不安定な彼らの心情を描いた物語。

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こんにちは!普段は山に囲まれて仕事をしているので、海の近くで働くことにイメージが湧かないYUKIです。

今回は畑野智美先生の「海の見える街」をご紹介いたします。

今作は図書館や児童館が一緒に入った街の総合施設で働く4人の大人の恋愛模様を描いた作品です。

「穏やかだけれど深みのある恋愛小説が読みたい」

「シンプルな恋愛より複雑な恋愛小説を読みたい」

「変わらない日々を描きながらも移り変わる物語が読みたい」

そんな方にはおすすめの一冊です。

今作では図書館員の日常や児童館員の日常を描きつつ、その内面にもつ感情や考えに影響を与えた過去に焦点を当てます。そのため、穏やかな日常と同時に複雑な感情を感じます。

また、今作は4人の間に生まれる恋愛感情を複雑に絡み合わせながら、物語は展開されていきます。恋愛とは別の感情も含まれながら生まれる複雑さがあります。

そして変わらない日常を描きながら、それぞれがお互いに影響を与え、与えられ、その感情や行動は移り変わっていきます。

今回は以下の3点にまとめて「海の見える街」の魅力をご紹介いたします。

  • 穏やかな日常を描きながら、どんどんと深くなっていくストーリー
  • 4人の感情が絡み合うストーリー
  • 変わらないと思う日々が徐々に移り変わっていくストーリー

今作では図書館と児童館という一見穏やかな日常が描かれていますが、そこで働く4人の考えていることや取り巻く環境には穏やかとは言えないストーリーがあります。一人ひとりに焦点を丁寧に当てていくことでどんどんと物語の深みにハマって行きます。

また、男女4人が恋愛感情であったり、他の感情だったり、職場だからこそ生まれる気持ちであったり、様々な感情が複雑に絡み合います。

そして毎日同じようなことを繰り返す日々が展開されながら、それぞれの気持ちや周囲の変化によって、変わらないと思っていた日常が徐々に変化していきます。

穏やかな日常を過ごす、穏やかではない彼らの心情を描いた物語。気になった方はぜひこの記事を読んで魅力を感じていただければ幸いです。

さっそく読んでみたい方はこちら。

穏やかな日常を描きながら、どんどんと深くなっていくストーリー

海が見える穏やかな街。その街にある図書館と児童館の穏やかな日常を描いた物語。

日々本を借りに来たり、返しに来たり、読みに来たり。

子どもだったり、おばさんだったり、おじいちゃんだったり。

児童館にもたくさんの子どもが来ながらも、その日常は一見不変だと思ってしまうほど穏やかな日々が展開されます。

しかしそこで働く4人にフォーカスを当ててみると、彼らには家族関係が難しかったり、囚われてしまっている過去があったり、変えられずに悩んでいる性格があったりします。

それはたった少しの影響で、彼らが過ごす日常が終わってしまうのではないかと思い、そう考えると表面的に見えていた日常がとても絶妙なバランスで成り立っていたのだと気づきます。

これは私の考えですが、最近は転職の時代と言われ、会社を移りやすい環境になっていると思います。だからこそ、普段変わらない、つまらないと思っている日常は、きっと昔よりも繊細な日常になっているのではないかと思ったりもします。

4人の感情が絡み合うストーリー

今作では図書館員の「本田」さん、「日野」さん、「鈴木」さん、児童館員の「松田」さんの4人が織りなす恋愛ストーリーです。

図書館と児童館は階違いで同じ建物のため仕事が重複しているところがあるため、「松田」さんを含めた4人全員が仕事仲間です。

そしてそれぞれが仕事仲間として、友人として、好意を寄せる相手として、様々な感情が描かれます。

その複雑さが単純な「好き」という気持ちだけでなくて、「尊敬」であったり「失望」であったり、「嫉妬」であったり「応援」であったり様々な感情が生まれていきます。

更にそれぞれを取り巻く家族関係であったり、交友関係、囚われている過去の出来事があることによって、踏み込めたり、踏み込めなかったり、近づいたり、離れたりしてしまいます。

私の考えではありますが、年齢を重ねれば重ねるほど様々な経験をしたり、人間関係が増えたりしていきます。そして私たちはその経験や周囲を取り巻く環境によって考え方が影響を受けることは少なくありません。

だからこそ「好意」という感情に対して、シンプルに二の足を踏んでしまったり、焦って進みすぎてしまったりするのではないでしょうか。

変わらないと思う日々が徐々に移り変わっていくストーリー

今作は穏やかで変わらない日々を描いています。図書館や児童館という基本的に無くなるということが考えにくい舞台で物語が展開されていきます。

しかし、そこで働くのは人であり、人は変わっていきます。

彼ら4人はそれぞれが互いに影響を与え合いながら、自分たちの気持ちや行動に変化を生んでいきます。

変わらないと思っていた関係や環境も、気づいたときには変わっていたり、そのことに気づかなくて衝撃を受けたりします。

そして変わったことに気づいたときに、自分自身たちも変化をしていき、次のステージへと進んでいきます。

まとめ

今回は畑野智美先生の「海の見える街」をご紹介いたしました。

図書館と児童館で働く4人の日常を穏やかに描きながらも、そのバックボーンや取り巻く環境に焦点を当てることで、物語に不安定さを生み出してくれます。

そしてその不安定さは4人が互いに影響を与え合うことで、徐々に移り変わっていく様子が展開されます。

様々な感情や環境を抱えながらも、前に進み続ける彼らのストーリーをぜひ読んでみてください。

それでは良い読書ライフを!

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