♯1 シンプルだけど厳しい!でも納得してしまう!アドラー心理学の一冊!

本全般

※ネタバレを含みます。

※あくまでも読書感想文ですので、豊かな心でお読みいただきますようお願いいたします。

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今回は心理学者アドラーの考えを元に書かれた「嫌われる勇気」について紹介していこうと思います。

こちらの本は心理学の三大巨頭といわれるフロイト、ユングに並ぶアドラーの心理学について対話形式で書かれた本です。

心理学というと難しいイメージを抱くかもしれませんが、対話形式になっていること、また万人に共通する悩みに対して鋭い言葉が投げかけられているので、話の道筋がわかりやすいです。

今回は私が特に印象に残った3つのフレーズを掘り下げてお話ししていきたいと思います。

今回の3フレーズはこちら

いろいろと不満はあったとしても、「このままのわたし」でいることのほうが楽であり、安心なのです。

嫌われる勇気ー自己啓発の源流「アドラー」の教え P.52より抜粋

これは好意に応えているというより、
見返りに縛られているだけです。

嫌われる勇気ー自己啓発の源流「アドラー」の教え P.154より抜粋

過去にどんなことがあったかなど、あなたの「いま、ここ」にはなんの関係もないし、未来がどうあるかなど、「いま、ここ」で考える問題ではない。

嫌われる勇気ー自己啓発の源流「アドラー」の教え P.271より抜粋

どうでしょう。

どの言葉もとてもシンプルでわかりやすく、かつストレートな言葉ですよね。

アドラー心理学では目的論といって、物事の因果関係を切り離す考え方を展開していきます。

だからこそ、自分に自信が持てなかったり、自分の今までの行動・選択から自分の望む未来をあきらめようとしている方には、厳しいながらも希望の持てる一冊になっていると思います。

実際に具体例をお話しいたしますので、「嫌われる勇気」をぜひ味わってみましょう。

ストレスが溜まるから食べてしまうのではなく、食べたいからストレスが溜まる??

日々の仕事、家事の疲れでついつい食べて過ぎてしまうことってありませんか?

そして一向に減らない体重・・・。

「職場の上司がむかつくからついつい甘いものを食べてストレスを減らすんだ」

「毎日家事を頑張ってるんだから、夕ご飯いっぱい食べちゃおう」

こんな経験をしたことあると思います。

このときのロジックはこうです。

ストレスが溜まっているから、お菓子を食べ過ぎてしまうんだ

なんの不思議もない当たり前に思うことですよね。

仕事や家事の疲れでストレスが溜まっている、だから甘いものなどを食べてしまう。

つまり原因は仕事、家事なんだ、と。

しかしアドラーの考えは全く逆なのです。

お菓子を食べたいから、ストレスを溜めている

どういうこと?と思いますよね。

「ストレスが溜まって辛いから、お菓子を食べることでストレスを和らげているんだよ」

って思いますよね。

ただ、アドラーは「人はまず自分の叶えたい目的があって、そのために行動している」

と考えているようです。

「お菓子を食べたい・・・。じゃあストレスが溜まっているから、お菓子を食べてしまうことにしよう」といった具合に。

このときに見かけの目的と本当の目的があることに気づきましたか?

1つは「太りたくない」

もう1つは「食べたい」

見かけの目的は「太りたくない」

本当の目的は「食べたい」

面白いことに「食べたい」ということを叶えるために、「ストレスが溜まっている」ことだけではなく「本当は太りたくない」という防衛まであるのです。

「本当は太りたくないんだよ。でもね、しょうがないの。だってストレスが溜まっているから、たべてしまうの」

確かにちょっとわかるかも・・・となってきているのではないでしょうか。

アドラーの考え方はとてもシンプルですが、その分とても厳しい考え方でもあります。

「嫌われる勇気」でお話しされている「目的論」はまだ始めの方のページです。

この後にじゃあ具体的に何をしていけばいいの?というところまでお話しは進んでいきます。

いろいろと不満はあったとしても、「このままのわたし」でいることのほうが楽であり、安心なのです。

嫌われる勇気ー自己啓発の源流「アドラー」の教え P.52より抜粋

あの人からいつももらってばかりで申し訳ない・・・なんてことはない??

みなさんの周りには「いつも何かをくれる人」っていませんか?

例えばどこかに旅行に行くといつもお土産を買ってきてくれるA子さん。

例えばいつもご飯をご馳走してくれるB先輩。

嬉しいと思いながらも申し訳ない・・・と思うことがあるのではないでしょうか。

そして何か返さなくちゃ・・・とも。

自分が旅行に行った時にも何か買わなくちゃ、とか

先輩にはいつもご馳走になってるから何かお返しをしなくちゃなど。

ここでアドラーはそんなお返しは必要ないといいます。

これは一見、人の好意を無下にするような発言に聞こえます。

本書には「課題の分離」という言葉が出てきます。

曰く自分の課題と他人の課題を分けて考えましょうということです。

例えばA子さんから旅行のお土産をもらう。しかしそのお土産は自分には必要のないものだったとしましょう。

そうすると私たちはこう考えるわけです。

「うーん。ちょっといらないかも・・・。でももらったから何か返さなくちゃ」

さらに深く考えるとこうなるかと思います。

「何かを返さなくちゃA子さんに『あの人は私がお土産を買ってきたのに何も返してくれない』と思われる」

私たちは多くの場合、人とのやり取りの際に相手がどう思うかを考えて、自分の印象が悪くならないように防衛しようと考えることがあります。

しかし先ほどお話しした「課題の分離」をすると以下のようになります。

自分の課題:プレゼントをもらったことでどう思うか

A子さんの課題:プレゼントを渡したことでどう思うか

つまり、A子さんにプレゼントをもらったことに関してどう考えるかは自分の課題なので、喜んだり、うーんとなったりすることはするべきですが、

A子さんがプレゼントを渡したことで私に対してその後どう思ってもらうのかは考えてはならない、ということです。

ちょっと難しいですね。

例えば、A子さんにお土産をもらった後に私がお返しをしたとします。

このときA子さんはそのお返しに喜ぶこともありますし、悲しむこともありますし、うーん微妙・・・となることも考えられます。

つまり、A子さんがどう思うかはA子さん次第なのです。

でもお返しをしたんだからそんなこと思うのは失礼だ、と思うこともありますよね。

こういうことは礼儀だから、とか良好な関係を築くために必要だからとも考えられますね。

しかし、本当にそうでしょうか。

プレゼントをもらって嬉しく思い、相手にも何かお返しをしたいと心から思ったならば、礼儀ではなく、相手も喜ぶものをあげたくなる、と考えることもできるのではないでしょうか。

これは好意に応えているというより、
見返りに縛られているだけです。

嫌われる勇気ー自己啓発の源流「アドラー」の教え P.154より抜粋

過去とか未来よりも、今を一生懸命生きてみませんか??

最後の見出しはちょっと抽象的な見出しになりましたね(笑)。

はじめにお話しした「ストレスが溜まっているから、お菓子を食べてしまう」

これは過去の行動が今に影響を与えていると考えることができます。

一方で、次にお話しした「プレゼントをもらったからお返しをしなくちゃ」

これは未来に予測される行動が今に影響を与えていると考えることができます。

アドラーはこの2つを否定しました。

つまり、今行動していることに過去も未来も関係ない、と言っているのだと思いました。

私たちはよく、過去のことを考えて自分がダメだと思ってしまったり、未来のことを考えて不安になってしまったりします。

私たちが生きる今は情報がとても多く、こういうことが過去にあるとこういう人格になりやすい、とか、これを続けているとこんな結果になるよ、といった情報が多くあるように感じます。

これは私の一意見ですが、そんな現代を窮屈に感じる瞬間が多くあります。

しかし、そんなことを考える必要はなく、今このときを一生懸命に生きることが大切なのだとアドラーは伝えてくれていると思いました。

過去にどんなことがあったかなど、あなたの「いま、ここ」にはなんの関係もないし、未来がどうあるかなど、「いま、ここ」で考える問題ではない。

嫌われる勇気ー自己啓発の源流「アドラー」の教え P.271より抜粋

まとめ

アドラーの考えはとてもシンプルだからこそ厳しい言葉があります。

しかし、厳しくても納得してしまう、私はそんな感覚になりました。

「お菓子を食べたいから、ストレスを溜めている」など考えたこともありませんし、

「お返しをする」というのは半ば無意識に思っていたことでもあります。

そして今の現代は情報が多すぎるほどあるが故に悩みが増えてしまうように感じることもあります。

そんな現代を生きる私たちにとってこの本は少しでも考え方を広げてくれるような気がいたしました。

もし気になった方はぜひお手に取ってみてください。

それでは良い読書ライフを!

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