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こんにちは!高校時代の友人とは社会人になった今でも遊ぶYUKIです。
今回は竹宮ゆゆこ先生の「砕け散るところを見せてあげる」をご紹介いたします。
高校3年生の「濱田清澄」は父の影響でヒーローになりたいと思っています。そんな彼は偶然全校集会で、いじめを受けている高校1年生の女の子「蔵本玻璃」に出会います。
「未熟ながらも勧善懲悪に進む物語が読みたい」
「被害をテーマにしながらも、明るく立ち向かう物語が読みたい」
「一面のみではなく層構造になった物語が読みたい」
そんな方におすすめの一冊です。
ヒーローを志しながらも人を助けた経験のない「清澄」。彼は不器用ながらも「玻璃」を救うために奔走し続けます。
また、「玻璃」はあらゆる被害を被っており、彼女自身も含めて陰鬱とした雰囲気が漂っています。しかし、誠実で明るい「清澄」によってその雰囲気は払拭されます。
そしてこの物語は登場人物の感情や物語全体の構成が層構造になっています。友人や家族に対してしっかり向き合う「清澄」。いじめに耐え続ける「玻璃」。溺れた子を救い上げた「清澄」の父。一つ一つの出来事には重なる事実があったことに気づきます。
今回は「砕け散るところを見せてあげる」を3つのポイントにまとめて魅力をご紹介いたします。
- 未熟なヒーロー
- 被害をテーマに明るく立ち向かう姿
- あらゆる要素が重なるストーリー
今作の主人公「清澄」はヒーローを志す正義感のある男子高校生。全校集会でいじめを発見した彼は「玻璃」を助けます。しかし、彼には当然救う気持ちはあれど力はなく、もどかしく感じながらも彼女を救うために奔走します。
また、被害をテーマにした作品はどうしても暗い雰囲気が漂ってしまうもの。しかし、「清澄」や「清澄」の母、クリーニング屋の女性の明るくまっすぐな性格が物語の暗雲を晴らします。
そして今作に出てくる人物たちの行動や作品自体の物語が層構造のように重なっています。読み進めていくうちに「だからこんな行動をしていたのか」「この場面とこの場面は重なっているんだ」と気づきを感じながら読み進めることができます。
ぜひ未熟ながらも悪に立ち向かうヒーローの姿を読んでみてください。
魅力をもっと知りたい方はもうしばらくお付き合いください。
さっそく読んでみたい方はこちら。
未熟なヒーロー
今作の主人公「清澄」は高校3年生ながらもヒーローという夢を持ち続ける正義感のある男。彼は全校集会でいじめの現場に遭遇します。
いじめを受けていた「玻璃」と出会い、彼女を助けるために行動します。
しかしその行動はどれも本質的な解決ができないものばかり。未熟な彼は歯がゆい思いをしながらも、決してあきらめません。
社会人になっても何かを助けることはとても難しく、それどころか自分のことでいっぱいいっぱいで、人のことまで慮ることはさらに難しいです。
それなのに見ず知らずの女の子を助け続ける彼はそれだけでヒーローなのかもしれません。
被害をテーマに明るく立ち向かう姿
今作は「玻璃」の被害が主軸となって話が展開されます。そのため、どこか暗い雰囲気が漂います。「玻璃」自身もはじめ暗く陰鬱な印象を受けます。
しかし、主人公「清澄」や「清澄」の母、クリーニング屋の女性の明るくまっすぐな性格と軽口をたたき合う会話が物語を明るく照らします。
そして「清澄」も彼女を助けるために悲観的にはならず、ただまっすぐ助けたいという気持ちで行動し続けます。
あらゆる要素が重なるストーリー
今作の特に面白いポイントの一つに登場人物たちの行動や感情、そして物語自身が層構造になっていることです。
「こんなに明るい性格なのに実はこんな一面があって、、、」という物語も多くありますが、今作では意外性のない根拠が重なって、登場人物たちの行動に影響をもたらしています。
ただ、その根拠は幾重にも重なっていますし、意外性のない根拠ばかりなので、一見そのまま飲み込んでしまいます。
しかし物語を読み進めるうちに、「そういえば確かに不自然だった、、、」と気づかされます。
また、物語全体がまるで韻を踏むように、重なるポイントがいくつかあります。
「あ、ここのシーン重なってる」と気づいたときにはちょっと嬉しくなります。
ぜひ「砕け散るところを見せてあげる」を手に取って確かめてみてください。
まとめ
「砕け散るところを見せてあげる」をご紹介いたしました。
ヒーローを目指している正義感のある男子高校生「清澄」といじめを受けて陰鬱とした女子高校生「玻璃」が紡ぐ不器用な勧善懲悪の物語。
登場人物たち、そして物語全体が層構造になったこの物語をぜひ読んでみてください。
それでは良い読書ライフを!
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