#33 家に残された思いをてがかりに。時代と人に寄り添える家を設計する。

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こんにちは!丸みのある木で造られたテーブルとイスが好きなYUKIです。

今回は逢上央士先生の「建築士・音無薫子の設計ノート 謎あり物件、リノベーションします。」をご紹介いたします。

今作は建築士志望の「今西中(いまにしあたる)」が普通の設計事務所にはありえない「お客さまの要望の通りに応えない」不思議な建築事務所のインターン生として働く物語です。

「潜在的に抱えている悩みを解決する物語が読みたい」

「昔住んでいた家が忘れられない」

「移り変わるものへ思いを馳せたい」

そんな方におすすめの一冊です。

主人公「今西」がインターン先に訪れた設計事務所の代表「音無薫子」はクライアントの上辺のニーズではなく、本当に求めているものは何か、を徹底的に探し応えていきます。

そのニーズに応えるため、家に残されていた傷や家具の痕跡、間取りから、手がかりを見つけていきます。

そして彼女は住む人、そして時代によって移り変わるニーズに家を合わせていきます。

今回は「建築士・音無薫子の設計ノート 謎あり物件、リノベーションします。」を以下の3つのポイントにまとめて魅力をご紹介いたします。

  • クライアントの潜在的なニーズを探り出す
  • 家に残されたヒントを手がかりに
  • 移り行く住人と時代に家を寄り添える

「今西」がインターン生として訪れた設計事務所の代表・音無薫子はクライアントの発する言葉をうのみにせず、本当にしてほしいことは何か、彼らクライアントが悩んでいることと何なのかを探し、その要望に応えていきます。

その要望を応えていくうえで、彼女は彼らに関わる家に残された痕跡や間取り、生活風景からヒントを手繰り寄せていきます。

そしてさまざまな事情から家を変化させることを望んだ彼らに寄り添うように家を変化させていきます。

人とは切っても切ることのできない「住居」。そこで紡がれる思い出を包み込む物語をぜひ読んでみてください。

魅力をもっと知りたい方はもうしばらくお付き合いください。

さっそく読んでみたい方はこちら。

クライアントの潜在的なニーズを探り出す

主人公「今西」は設計士を志す大学生。彼は悩みを抱えながら教授に紹介された「音無建築事務所」へインターン生として訪れます。

そんな彼が出会ったのは、クライアントの要望に応えない変わった設計士・音無薫子。

彼女はクライアントの表面的な言葉を鵜呑みにせず、本当に求めていることを探し当て、家を設計します。

家に残されたヒントを手がかりに

彼女はクライアントの潜在的なニーズを探り出すために、彼らが関わる家の様子をつぶさに観察します。

はじめは意味が分からなかった「今西」もだんだんと彼女の設計に向き合う姿勢に影響されていきます。

「薫子」は家に残る家具や痕跡、生活状況を観察し、なぜこの家具や痕跡があるのか、生活状況からクライアントがどういう人格を持った人間なのかを推理し、一つの答えを導いていきます。

移り行く住人と時代に家を寄り添える

クライアントのニーズを理解した「薫子」はクライアントが本当に求めていた形に家を作りかえていきます。

家は時が経つにつれて劣化もしていけば、デザインも時代に取り残されていきます。また、住む人も子供から成人し、若かった姿はやがて衰えていきます。時には住む人自体が変わっていく可能性もあります。

「音無薫子」はそんな移り行く時代や住人に取り残された家を再び寄り添うように設計し、作りかえていきます。

まとめ

今回は逢上央士先生の「建築士・音無薫子の設計ノート 謎あり物件、リノベーションします。」をご紹介いたしました。

上辺の言葉に惑わされずクライアントの潜在的なニーズに応える。そのために家に残されたヒントをてがかりに、時代と住人に寄り添った設計をする。

そんな思いのこもった設計をぜひ読んでみてください。

それでは良い読書ライフを!

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