こんにちは!人の主観的な思いが如実にあらわれる絵が好きなYUKIです。
今回は友井羊先生の「魔法使いの願いごと」をご紹介いたします。
今作は幼いころに視力を失ってしまった女の子「ヒカリ」が魔法使い「ヒト」の力によって美しいものだけを写す目をくれる物語。
「本当に美しいものってなんだか考えちゃう」
「何となく続く日々につまらなさを感じてしまう」
「新しいことにチャレンジしてみたいけどなかなか行動できない」
そんな方におすすめの一冊です。
主人公「ヒカリ」は幼いころから美しいものに対して憧れがありました。そんな彼女に魔法使い「ヒト」は美しいもののみを写す目を与えます。そんな彼女はいつしか限られた美しいもののみを視るようになります。
彼女は目が見えなかったころにはいきいきとしていましたが、美しいものを写す目を得てからはどこかつまらなさを感じるようになります。
そして、彼女は見えないものを恐れるようになり、同じ日々を過ごすことに安堵するようになりました。
今回は「魔法使いの願いごと」を3つのポイントにまとめて魅力をご紹介いたします。
- 本当に美しいものとは
- 美しいものに気づける力
- 世界を美しく見る勇気
主人公「ヒカリ」は魔法使い「ヒト」に美しいものだけを写す目をもらいます。その目に映るものは本当に美しいものばかりですが、その数はすこしずつ減っていきます。
美しいものを視ることができるようになってから、彼女はどこかつまらなく感じるようになります。この目に映るものだけに価値があり、映らないものには価値が無いように感じてしまうようでした。
視力のない頃の彼女は恐れ知らずで様々な世界にえいと飛び込むような女の子でした。しかし、美しいものを写す目を得てからは、見えないものを恐れ、決まった行動を繰り返す女の子へ変貌していきます。
彼女に起きたことは不思議なことですが、美しいものを観たり感じたりすることは誰にでも経験のあることです。もしかしたら私たちも美しいものが少しずつ減ってきているのかもしれません。
この作品の魅力をもっと知りたい方はもうしばらくお付き合いください。
さっそく読んでみたい方はこちら。
本当に美しいものとは
今作の主人公「ヒカリ」は視力を失った女の子。そんな彼女は魔法使い「ヒト」に出会い、美しいものだけを写す目をもらいます。
はじめ彼女の目には様々なものが映っていましたが、いつしかその数は少なくなっていき、家にある数点の美しい絵や調度品を写す目へと変わっていきます。
そんな折にお手伝いの息子「セカイ」に出会います。彼は日常の当たり前の風景一つにも美しさがある感じています。
「美しい」というものは主観的な意味合いが強く、人によってその評価は様々だったりします。
しかし、美しいと思えるものが多いというのは劣っているのかもしれませんし、幸せなのかもしれません。
美しいものに気づける力
美しいものを写す目を得てからの彼女はどこかつまらなさを感じるようになります。
目に映るものには価値を感じ、映らないものには興味を無くします。
目に映るものが少なくなっていく彼女はだんだんと興味あるものも少なくなっていき、日々に喜びを感じることが少なくなっていくのです。
世界を美しく見る勇気
視力を失っていた頃の「ヒカリ」は危険を顧みず、刺激あるものにどんどんと飛び込むような女の子でした。
彼女は見えないながらも美しいものに憧れを感じ、思いを馳せていました。
一方で視力を得てからは見えないものに極力近づこうとはせず、同じ日々を送ることに安心感を得ていました。
そんな彼女はお手伝いの息子「セカイ」と言葉を交わすうちに、だんだんと感情が変化していくのです。
まとめ
今回は友井羊先生の「魔法使いの願いごと」をご紹介いたしました。
「美しいもの」というテーマで、見えないからこそ感じる美しさ、見えるからこそ感じられなくなる美しさを描き、美しいと感じる心手に入れる物語が紡がれます。
ぜひ日常につまらなさを感じていたらこの物語を読んでみてください。
それでは良い読書ライフを!
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