#48 穏やかな町はずれの図書館に訪れる謎。

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こんにちは!大学生時代、図書館でアルバイトをしていたYUKIです。

今回は森谷明子先生の「れんげ野原のまんなかで」をご紹介いたします。

あらすじ

新人図書館員「文子」は田舎の片隅にある図書館で勤務を始めます。

その図書館を訪れる利用者の中には小さな謎を持ってくることも。

穏やかな日常に訪れる謎を「文子」と図書館員たちは挑んでいきます。

こんなこと思ってたらぜひ読んでみて!

田舎を舞台にした穏やかなミステリが好き

今作は田舎の端にたたずむ図書館を舞台にした穏やかなミステリです。

アグレッシブな展開というよりも、人の人生に寄り添うような謎ばかりが出てきます。

登場人物が何度も現れるストーリーが好き

各章で取り上げられる利用者たちは、その後もちょこちょこ登場します。

印象的な人物が何度も現れると、読んて行くうちにどんどん親近感が湧いてきます。

読んでみて気づいた魅力

田舎だからこその穏やかな雰囲気とぴりっとした謎

今作の舞台は田舎の片隅にある図書館。

もちろん訪れる利用者の数はまばらで、図書館にはゆったりとした時間が漂います。

その図書館に訪れる利用者が持ってくる謎。

それはまるで優しいスープに少し加えられたブラックペッパーのような刺激を与えています。

登場人物一人ひとりを深堀することで見えてくる魅力

今作は主人公の「文子」だけでなく、同じ図書館員や利用者の人間関係、生活などにもフォーカスされます。

彼らの生きている姿を読んでいくたびに、表面的に見えていた印象だけでなく新たな一面が見えます。

さらに登場人物たちの関係を知っていくと、作品全体の深みがを感じることができます。

読了した方と語りたい話 ※ネタバレを含みます

※ここからは今作を読まれた方とこんな話をしたいなと思い書いています。

※ネタバレを含みますので、読了されてから読むことをおすすめいたします。

隠れた主人公「秋葉」

図書館の名前にもなっている「秋葉」。

実は彼は隠れた主人公なのではないかと思います。

第一話で少年たちが買っていたカップラーメンは、「秋葉」が経営しているコンビニにあったものです。

また第三話で持ってきた個人情報の謎はコンビニのコピー機に残されたものであり、第五話では犯人である志田が祖母に頼まれて酒を購入していた店もこのコンビニです。

そして第四話では「秋葉」の過去にフォーカスがあたり、この土地に大きな影響を与えている秋葉家の歴史が明かされます。

最終話ではれんげ畑を耕し、畑を始めることから、穏やかで一見変わらない土地ながらも「秋葉」自身が変化を迎合します。

もしかしたら「秋葉」は子供たちも離れ、妻と二人で生活する変わらない日常に変化を求め、レンゲソウを植えたのかもしれません。

能勢という謎の男

主人公とともに働く図書館員「能勢」。

彼ははっきりとした性格の妻と喘息を持つ娘がいる一見どこにでもいそうな男です。

今作の謎は彼を中心として解き明かされていき、最終話では彼一人で犯人のもとへ訪れるシーンもあります。

彼が住む借家の大家は「秋葉」であり、彼は「文子」に好意も寄せられている。

性格は本好きで仕事はできるが、就業中に堂々と居眠りしてしまうほどのんびり屋。

そして彼は最後に犯人である「志田」を救います。

これだけ物語に大きな影響を与えているのにも関わらず、彼自身を中心にした話はありません。

メタ的に考えるなら、彼を深堀すると物語全体が彼を中心とした作品になってしまうと危惧したからかもしれません。

私は「能勢」という人間が結構好きな人物なので、いつか彼の物語が描かれる作品が生まれたらぜひ読んでみたいですね。

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