#54 絵を通してあやかしの悩みに寄り添う。他人に線引きしないまっすぐな男の子の物語。

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こんにちは!絵が絶望的に下手なYUKIです。

今回は八谷紬先生の「京都あやかし絵師の癒し帖」をご紹介いたします。

あらすじ

芸術大学で絵を学ぶ「如月椿」は不愛想で人を寄せ付けない「三日月紫苑」とひょんなことから関わることに。

あやかしの絵を描く仕事を任された椿はあやかしと関わり、紫苑との友情を深めていく。

あやかしが大切にしている絆を包み込む椿の物語。

こんなこと思ってたらぜひ読んでみて!

人への優しい気持ちを描いた物語が好き

絵を描くことであやかしの願いを叶える今作。

その願いは相手を想う優しい気持ちばかりです。

報われない想いもありながらも相手のために悩む彼らの想いをぜひ読んでみてください。

まっすぐに相手を見るキャラクターが好き

主人公「如月椿」はごく普通の大学生ではありますが、彼はどんな相手であれまっすぐに相手を見ます。

相手があやかしであろうと人間であろうと、相手が何を考え、どんな思いで生きているのかを悟り行動します。

彼の心ある行動に心が温まります。

読んでみて気づいた魅力

異なる存在を認めるチカラ

今作では「あやかし」と「人間」という明確な異なる存在が登場します。

そしてその中間の存在である紫苑の家と、未来を読む力を持つ人間「円」。

異なる存在ながらも関わっていく彼ら。

そこに差を見ない椿が切り込んでいきます。

私たちも普段自分以外と差を見つけてしまい、心ない言葉を投げてしまうこともあると思います。

線を引かずまっすぐに言葉を投げる椿の姿に心が温まります。

読了した方と語りたい話 ※ネタバレを含みます

※ここからは今作を読まれた方とこんな話をしたいなと思い書いています。

※ネタバレを含みますので、読了されてから読むことをおすすめいたします。

相手の求めていることに寄り添う

第二章の猫又のお話しは印象的でした。

寿命が近づいた猫又が猫に戻してほしいと願う物語。

なんとか長生きをして、飼い主と共に生きていければいいなと思っていたら、

飼い主自身も寿命が短いことが明らかに。

猫又の願いは飼い主の女の子の傍にいたい。

女の子の願いは猫又に生きて、外の世界を知ってほしい。

どちらも正解はない答えです。

最終的に猫又の願いは叶えられ、飼い主とともに短い時を過ごします。

このお話しは私たちが自分がどんな時間を過ごしたいのかを考えさせられるお話しだと思いました。

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