#55 未練を残した人が訪れるレストラン。最後に想う彼らの想いとは。

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こんにちは!レストランで美味しい料理に出会うのが好きなYUKIです。

今回はつるみ犬丸先生の「閻魔大王のレストラン」をご紹介いたします。

あらすじ

食にまつわる未練を残した死者が訪れるレストラン「紫苑」。

髭をたくわえたギャルソンと閻魔と名乗る男がもてなす不思議なレストランで、死者たちは大切な人と最後の時間を過ごす、、、。

こんなこと思ってたらぜひ読んでみて!

死生観について意識することがある

今作は未練を残して亡くなった人が、閻魔が営むレストランで最愛の人と最後の時間を過ごす物語です。

もう先がないからこそ、生きていた時に本当にしたかったことを浮かび上がらせるこの作品は、読み手自身に対しても生きることを訴えかけてきます。

過去のことを思い出すことが苦手

昔のことをあまりよく覚えていない、という方におすすめの今作。

ぜひ食を通じた思い出を振り返ってみてください。

家族といったファミレスや、親戚と行った旅行先のホテルの料理。

彼女と行ったフレンチや、友人と行った飲み屋など。

そんな食を通じた思い出を今作では描いています。

読んでみて気づいた魅力

独立している話ながらもだんだんと見えてくる真実

全4章からなる今作では、それぞれのお話しに関連性はありません。

しかし、お話しが続くにつれて少しずつレストラン「紫苑」の全貌が見えてきます。

閻魔がなぜレストランをしているのか、なぜ竜児はレストラン「紫苑」で働いているのか。

ぜひその答えを読んで確かめてみてください。

読了した方と語りたい話 ※ネタバレを含みます

※ここからは今作を読まれた方とこんな話をしたいなと思い書いています。

※ネタバレを含みますので、読了されてから読むことをおすすめいたします。

ハッピーエンドなのか?花江が望んだ最後の食事

今作でギャルソンをしていた男「竜児」は、残した妻「花江」との最後の食事をする約束のためレストラン「紫苑」で働きます。

しかし、最後に花江が選んだ食事をする相手は、かつて同僚だった「英次郎」でした。

竜児はきっと花江に幸せになってほしいと思っていましたから、英次郎と再婚をして喜んでいたと思います。

しかし、心のどこかでの哀しさを感じたのではないでしょうか。

この「哀しさ」が今作の最大のテーマだったのではないかと思いました。

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